【野球】バッティングフォームの基本とコツ覚え方

野球を始めたばかりの時に、「バッティングフォームは何から覚えればいいの」や「バッティングフォームの基本ってなんだろう」と悩んでいませんか?

私は5歳~22歳(大学生)までの17年間、野球に本格的に打ち込み、バッティングではチームの主軸を任されており、バッティングを得意としておりました。

この記事では、バッティングを得意にしていた私が、バッティングフォームの基本を7つの項目に分けて解説させていただきます。

この記事を最後まで読んでいただくと「バッティングフォームの基本が理解でき自分で実践できる」や「バッティングフォームの基本を教えることができる」ようになりますので、是非読んでいただけたら嬉しいです。

目次

バッティングフォームの基本を7つの項目に分けて覚えよう

バッティングフォームは7つの項目に分けて、まずは基本的な形から覚えていきましょう。

野球初心者が覚えるには情報量が多く、一度に覚えようとすると混乱してしまうからです。

どのように分けるかというと、

  1. バットの握り方
  2. 構え(スタンス)
  3. テイクバック(溜め)
  4. トップ(ステップ)
  5. スイング
  6. インパクト
  7. フォロースルー

の7項目になります。

バッティングフォームは、人によってそれぞれ違いますが、まずは基本を覚えてそこから自分に合うフォームを探していくと身に付きやすいです。

何事も基礎を覚えて、応用していく流れが大事ですね。

バッティングフォームは一連の流れで覚えるよりも、各項目(7つ)に分けて覚えていくことをオススメします。

項目を分けて覚えていくことで、教える側も教わる側もどの部分に意識をすればいいのか明確になり、頭の中で整理がしやすいからです。

素振りをした時に、一度に「構えた時の足の幅を広く」や「テイクバックした時の手の位置が低い」や「スイングした時のバットの軌道はレベルスイングで」や「インパクトの時の手首の角度が違う」などと指摘を受けても覚えられないですよね。

野球を始めたばかりの時は、指摘事項も多くなりますので、混乱してしまわぬよう1つずつ覚えていくといいでしょう。

先ほども少し紹介させていただきましたが、私がオススメするバッティングフォーム7つの分け方を紹介させていただきます。

1つずつ内容を理解しながら実践し、何度も読み返しながら覚えていっていただくことがオススメです。

それでは、1つずつ解説させていただきます。

バットの握り方は大きく分けて2種類になります。

①フィンガーグリップ

指の付け根部分から第一関節で握る、すなわち指でバットを握る握り方のことです。

バットを握る時は、中指・薬指・小指に力を入れて握るようにすることで、手の中でバットの遊びができ、バットコントロールがしやすくなります。

上級者向けの握り方で、MLB選手が多く実践しています。

メリットとしては「ボールのラインに入りやすくなる」「インパクト力UP」「軽いスイングでも飛距離が出る」ことが挙げられます。

デメリットとしては「習得するのが難しい」「効果が出るまでは時間がかかる」ことが挙げられます。


②パームグリップ

手の平全体でグリップを握る握り方のことです。

バットを握る時は、薬指と小指に力を入れて握るようにすることで、手の中でバットの遊びができ、バットコントロールがしやすくなります。

初心者向けの握り方で、日本の野球選手が多く実践しています。

メリットとしては、手の平でバットを握るため「バットが握りやすい」「習得しやすい」ことが挙げられます。

デメリットとしては「バットコントロールがしづらい」「手首が使いづらくバットのヘッドが走りづらい」「スイングスピードがDOWNする」ことが挙げられます。

野球初心者の方は、パームグリップから入ることがオススメ!

日本の野球選手のほとんどの人がバットを「パームグリップ」で握っているんだって!



引き手(右バッターなら左手)は、パームグリップで押し手(右バッターなら右手)は、フィンガーグリップという組み合わせもいいかもしれません。

握り方をいろいろ試してみて、自分に合う握り方を見つけよう!

構える時のコツは、上半身の力を抜くことです。

上半身の力を抜くことができれば、次の動作に移りやすくなります。

ただ上半身の力を抜くことを意識するだけだと、力を抜くことが難しい場合には、下半身に力を入れることを意識してみて下さい。

上半身の力を抜きやすくなります。

次に実際の構え方について紹介させていただきます。

構え(スタンス)は大きく分けて3種類あります。

①スクエアスタンス

構え方は両足を肩幅より一足分広く開き、バッターボックスのラインに対し平行になるように立つ。基本的な構え。

特徴は、初心者向けで一般的にはこの構えの人が多い。

②オープンスタンス

構え方はスクエアスタンスに対し、ピッチャー側の足を外側に開いて立つ。

特徴は軸足に体重が乗せやすく、両目でしっかりとボールを見ることができる。

③クローズドスタンス

構え方はスクエアスタンスに対し、ピッチャー側の足を内側に閉じて立つ。

特徴は、軸足の股関節に体重を乗せやすく、肩の開きを抑えることができる。

初心者の方は、基本の形「スクエアスタンス」からトライ!

スクエアスタンスだと軸足に体重を乗せきれない時の対策として、オープンスタンスを取り入れる。
打つ時に肩の開きが気になる時の対策として、クローズドスタンスを取り入れる。

バッティングのクセを矯正する1つの方法として、構え(スタンス)を変えてみるのもいいかも。

バッティングのテイクバックとは、バットを振る前にキャッチャー側に向けてバットのグリップを引いて、体とバットの距離を少し離しつつ、軸足に溜めを作る動作のことを指します。

①上半身

動きは、グリップをキャッチャー側に引く。
※引き手をキャッチャー側に押していくイメージ

意識することは「グリップの位置は肩よりやや高く」「バットのヘッドはピッチャー側に45°倒れるくらい」「肩は構えた時の位置と変わらない」です。

②下半身

動きは、足をキャッチャー側に引く・上げて、軸足に体重を乗せる。

意識することは、ドッシリと安定させ、軸足の股関節に溜めを作る(体重を乗せる)

テイクバック時の注意点

・上半身
①ピッチャー側の肩がベース側に入り過ぎない。

肩を入れ過ぎることで、
・バットが出なくなる。
・バットを出そうとすると、肩が開き力が逃げてしまう。
といった原因を引き起こします。

②バットのヘッドがキャッチャー側に倒れ過ぎない。

バットのヘッドがキャッチャー側に倒れすぎると、
・バットのヘッドの反動(遠心力)を利用できず、ヘッドスピードが上がらない。

といった原因を引き起こします。

③グリップが上がり・下がり過ぎない。

グリップが上がり過ぎると、
・スイングの軌道が確保できず、大根切りになってしまい、ミートが難しく飛距離も出ない。

グリップが下がり過ぎると、
・スイングの軌道が確保できず、アッパースイングになってしまい、ミートが難しく飛距離も出ない。
・スイングにいく時にもう一度グリップを上げて打ちいくことになり、振り遅れてしまう。

といった原因を引き起こします。

・下半身
①軸足の上から体重を乗せない。

軸足の上から体重を乗せると、
・スイングにいく時に軸足に体重が残らず、溜めた力が逃げてしまう。
・タイミングがズレた時に、待って打つことができない。

といった原因を引き起こします。

②軸足がグラグラしない。

軸足がグラグラしてしまうと、
・バッティング全体が崩れてしまう。

といった原因を引き起こします。

テイクバックの動き・意識すること・注意点を抑えておきたいね。

テイクバック時の足の上げ方は4種類。

①足を上げない(すり足)

タイプは、タイミングが上手く取れない人向け。

特徴は、両足をついて待つことで、安定感が増しボールにアジャストしやすい。
足を上げた反動を得られないため、パワーを生み出しにくい。

②足を少し上げる

タイプは、基本的な形になります。

特徴は、タイミングを取ると足を上げてパワーを生み出す、間を取った平均的で初心者向け。

③足を大きく上げる(1本足)

タイプは、長距離砲の人向けになります。

特徴は、足を大きく上げた反動で体重移動することで、大きなパワーを生み出すことができる。
タイミングを合わせることが難しく、ボールにアジャストしにくい。
上級者向けです。

④足を開いたまま(ノーステップ)

タイプは、パワーに自信ある人向けになります。

特徴は、足を最初からステップした状態まで開き、テイクバック時は、下半身の体重移動のみを行うため、下半身の反動が最も得られにくく、飛距離を出すためには上半身の力が必要とされる。
スイングまでの始動が早いため、速い球に強い。また、緩急にも対応しやすい。

バッティングのトップとは、スイングを開始する位置のことを指します。

トップに入れた時のポイントは、

  • スイングの軌道に乗せやすいところにバットのグリップがあること。
  • トップの位置から、そのままスイングに移ること。
  • 腕の力は脱力すること。

こんなトップはNG!

①2段トップ

1度トップを作ったのに、スイングに入る際にもう1度トップを入れ直す動作。

トップの入れる場所が悪い人に起こりやすい現象。

スイングに入るのにワンテンポ遅れるため「振り遅れて差し込まれる」「バットを出そうと状態が突っ込む」などの原因を引き起こします。

②トップに位置が身体に近すぎる

トップの位置が身体に近すぎることで、
・腕が窮屈になり、そのままスイングに移れなくなる。
・無理矢理スイングに移ると極度のダウンスイングになり、理想のスイングの軌道が確保できない。

といった原因を引き起こします。

③腕に力が入り過ぎ

トップに入った時に腕に力が入り過ぎていると、
・スイングにスムーズに移れない。
・ヘッドが走らせることができず、スイングスピードが上がらない。

といった原因を引き起こします。

トップはバットを出しやすい位置で、力を抜くことがポイントだね!

トップを作ると同時に、ステップをしていきます。
バッティングのステップとは、スイングに入る前にピッチャー方向へ足を踏み込んでいく動作のことを指します。

ステップの幅は、肩幅の倍くらい足を開きます。

ステップした時には、軸足に溜めた力を逃がさないように注意しましょう。

軸足に力を残すためには、ステップした足は親指の付け根でチョンと着き、踵はややピッチャー側に向けるイメージにすると効果的です。

また、投げられたコースによって、踏み込むステップを変化させていくことで、ボールと体との距離をちょうどよく保つことができ、ボールをバットの芯に当てやすくなります。

ステップする時は、軸足に体重を残し、ボールのコースによって踏み出す位置を変えていけばいいんだね!

バッティングのスイングとは、トップの位置からバットを振ることを指します。

スイングをする時は、下半身始動で動き出すとバランス良く、上半身の力を抜いた状態でスイングすることができ、バットのヘッドを走らせることができます。

下半身から始動するコツを1連の流れで紹介します。

スイングのコツは下半身始動で、上半身の力を抜くこと。
グリップがおへその前辺りまで出てきたら、グリップと下半身を止め、バットのヘッドを走らせることだね。

バットのスイングの仕方(バットの軌道)は大きく分けて3種類あります。

①ダウンスイング

トップの位置からインパクトまでの間、バットを下に向かって振り下ろしていくスイングのこと。

ゴロを打つ時に有効的なスイングの軌道です。

重力に逆らわずにスイングしていくことで、スイングスピードが速い。

打球を上げることが難しく、ミートポイントが1点になるため、ミートが難しい。

②レベルスイング

インパクトの前からレベル(水平)でスイングをして、レベルのままでインパクトをしていくスイングのこと。

レベルスイングは、振り始めをダウン→インパクト前からインパクトまでをレベル→インパクト後をアップのようなバットの軌道が理想的です。

ボールを点ではなく、線で捉えていけるためミート率が上がります。

多くの選手がこのスイングで、初心者の方もレベルスイングからトライすることをオススメします。

③アッパースイング

振り始めで振り下ろしていき、インパクト前から振り上げてインパクトをしていくスイングのこと。

打球の角度を上げやすく、ホームランを打ちやすいスイングの軌道です。

ただ、ホームランを打つためには、打球速度が必要で理想の打球速度に到達するためには、約130km/h以上のスイングスピードが必要となります。

また、重力に逆らってスイングしていくため、その分力が必要になることと、ボールを点で捉えていくため、ミート力も必要となる超上級者向けの打ち方です。

まずはレベルスイングを習得して、状況に応じてダウン・アッパースイングを応用していけるとバッティングの幅が広がるね!

バッティングのインパクトとは、バットにボールが当たる瞬間のことを指します。

インパクト時に最大の力を発揮できる場所は「体の正面です」。

タイミングをしっかりと取り、体の正面でバットにボールをインパクトさせるようにしましょう。

インパクト時は、手首の角度が重要になります。

手首の角度によっては「インパクト時にボールに当たり負ける」や「フォロースルーに入る前のコックが使えなくなる」といった原因を引き起こし、打球を遠くに飛ばせなくなるからです。

①パームグリップの場合の手首の角度

②フィンガーグリップの場合の手首の角度

また、インパクト時には両肘にゆとりを持たせておきましょう。

インパクト時、両肘が伸び切らない位置でバットでボールを捉えることで、インパクト後にボールを一押しすることができるからです。

その一押しで打球の飛距離が変わってきます。

ボールをバットで運ぶといった表現になりますね。
(ゆとりがないとバットにボールがぶつかっただけとなります)

インパクトは「体の正面」で「手首の角度に気を付けて」「肘にゆとりを持って」だね。

バッティングのフォロースルーとは、インパクト後の延長線上のスイングのことを指します。

打球を遠くに飛ばすためには、前に大きなフォロースルーが必要になります。

前に大きなフォロースルーを作り出すポイントは、

  • 押し手(キャッチャー側の手)を返さない。
  • 両手をピッチャー側に伸ばすように。
  • 下半身(腰)を手と同じタイミングでピッチャー側に送り込む。

フォロースルーをしっかり行うことで、打球にしっかりとした回転を加えることができ、打球の飛距離を延ばすことができます。

あまり良くないフォロースルー

①手がスウェーしてボールを切る

ボールを切ってしまうことで、
・打球が延びずに飛距離が出ない。
・ボールにシュート回転がかかり、ボールが逆方向にきれていきファールになってしまう。

といった原因を引き起こします。

②手首を返す(コネる)

手首を返す(コネる)ことで、
・打球にドライブ回転がかかって失速する。
・ボールをバットで巻き込んでゴロになる。

といった原因を引き起こします。

③下半身が抜ける

下半身が抜けることで、
・下半身の力を打球に伝えることができず飛距離が出ない。
・前に大きなフォロースルーができず引っ掛けた打球になる。

といった原因を引き起こします。

フォロースルーには、上半身だけじゃなくて下半身の力も重要だね。

バッティングフォームの基本の動きが頭に入ったら、練習でバッティングフォームを体に覚えさせていきましょう。

正しいフォームを頭でわかっていても、その通りに体を動かせなかったら意味がないからです。

バッティングフォームは教わってすぐにその通り人は少ないと思います。

そのため、焦ることなく1つずつ、じっくりと覚えていくことをオススメします。

バッティングフォームを覚えるための練習方法として、素振りが有効的になります。

素振りはピッチャーとの駆け引きやボールにタイミングを合わせるといった必要がなく、バッティングフォームのみに集中できるからです。

また、素振りでも1連の流れでスイングをするわけではなく「トップならトップ」「スイングならスイングだけ」といったように、その項目に特化して体にフォームを染み込ませていきましょう。

各項目に特化することで、よりその項目への意識が高まり、吸収が早くなります。

ただ闇雲に素振りするのではなく、1つ1つの動きを確認しながら行うと正しいフォームが身に付きやすいんだね。

バッティングフォームを覚える練習方法として、補助付きの素振りも有効的になります。

補助をしてもらうことで、自分一人ではなかなか直らない動きも矯正していけるからです。

例えば、肘が中に入らず止まってしまう選手がいたら、ゆっくりと素振りの動作をしながら、肘を軽く押してあげて肘を入れられるように補助をしてあげます。

そうすることによって、肘を出す感覚を体が覚えていき、次第に補助なしでも正しいフォームでスイングができるようになるのです。

時には、誰かに体の動きを補助してもらうことも大事なんだね。

僕は一人でも補助をしながら素振りをしていたよ。

こんな感じで!

肘を入れる時は「押し手を引き手で引っ張って」

肘が開いてしまう時は「引き手を押し手で押さえて」のように、動きを矯正していました。

各項目ごと・補助付きの素振りでフォームをある程度、体に覚えさせたら1連の流れを通しで素振りしてみましょう。

各動きを覚えた後に、通しで素振りをしていくことで、1連のスイングが完成していくからです。

点と点を繋げていくように「構え(スタンス)」→「テイクバック(溜め)」→「トップ(ステップ)」と一つ一つの動きを繋げていきます。

その中でも、出来ているところと出来ていないところが見えてくるので、出来ていないところはまた「各項目ごと」や「補助付きの素振り」をして、動きを矯正するといった流れを繰り返し行ってバッティングフォームを身に付けていきましょう。

バッティングフォームを身に付けたり、クセを直すためには、「各項目ごと」→「補助付きの素振り」→「1連の流れを通しで」を繰り返すことが大事だね!

ここまで、【野球】バッティングフォームの基本について解説させていただきました。

バッティングのホームは人によって様々です。

ただ、いきなり「オリジナル」や「プロ野球選手のマネから入る」ではなく、基本の形とその動きの意味を理解していくことをオススメします。

そうすることで、「なぜその動きをする必要があるのか」や「このバットの軌道の結果この打球になる」といったことが理解できるようになり、だとすれば「この軌道でバットを出してみよう」や「下半身をこうやって動かしてみよう」と自分で考えることができるようになるからです。

「応用が効く選手」や「不振から自力で抜け出せる選手」となっていけます。

この記事を読んでいただいた方のバッティングフォームの少しでも、参考になれば嬉しいと思います。

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